頻回な下痢と腹痛
症状

30代
潰瘍性大腸炎の治療中に、2ヶ月前から頻回の下痢と腹痛が出現。
排便回数は1日10回程度で、そのうち5回が下痢便。
便意時および食後に、季肋部とへその横に腹痛が出現。
仕事中のトイレの頻度が高く、業務に支障をきたしていた。
夜間も1〜2回トイレに起き、睡眠の質が低下。
過敏性腸症候群の疑いで投薬治療を受けたが、改善が見られなかった。
初診時には、下腹部と季肋部に圧痛と違和感があった。
施術の内容と経過
施術頻度:週1回
緩和までの施術回数:5
初診時には手足のツボに鍼施術を行い、施術後2~3日で排便回数が1日5回程度に減少した。
腹痛や違和感が残存したため、2回目以降も同様の施術を継続。途中で腰痛が出現したため、足のツボへの鍼を追加した。
5回目の施術時には、下痢の回数が著明に減少し、腹痛も緩和された。
潰瘍性大腸炎の血便が改善傾向にある中で残存していた下痢症状に対して、手足のツボへの鍼施術が有効であったと考えられる。施術開始後、比較的早期から排便回数の改善が見られ、夜間のトイレ覚醒による睡眠障害も軽減されたことで、QOL(生活の質)の向上にもつながった。
この症例は、消化器の基礎疾患を持つ患者においても、鍼施術が機能性腸障害の改善に有効である可能性を示唆している。
使用したツボ
このページの著者
著者:藤枝 聖也
資格
鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師
所在地
名古屋市千種区池下1丁目4−15 川辺318ビル 5階B号室
えだは鍼灸マッサージ院 院長
専門
自律神経症状に特化した鍼灸マッサージ
紹介
3歳の子どもから高齢者まで、幅広い患者さまの症状に対応してきた経験を持つ治療家です。肩こりや腰痛などの慢性症状から、難治性の消化器疾患を含む自律神経に関連する症状まで、患者さま一人ひとりに合わせた最適な施術で改善を目指しています。
また、自身も「潰瘍性大腸炎」「過敏性腸症候群」「慢性上咽頭炎」といった病気や症状と向き合いながら生活しており、患者さまの気持ちに寄り添った治療を心がけています。
